2023/11/4

ベバストFFヒーター(AT2000STC) サブバッテリー(105A)で何時間駆動できるのか?


サブバッテリーを交換したので、ベバストヒーターAT2000STC(FFヒーター)をサブバッテリーで何時間駆動できるのかを計算、実証テストではなく、あくまでも平均値の計算上のお話なのでご参考までに…



105Ahディープサイクルバッテリーを取付しています。

105Ah(アンペア時)=105アンペア(A)の電流を1時間(h)使用できるという意味のように思えますが、

バッテリー容量を表すのに重要な基準
「時間率」があります。




時間率について

バッテリーは化学反応で電気を溜めたり出したりしていますので、同一の物でも電気の取り出し方によって

取り出せる電気の総量が変わってくるのです。


具体的には、大きな電気を短時間で取り出すより、小さな電気を長時間かけて取り出す方が、

より多くの電気を取り出すことができるのです。しかし、これではそのバッテリーの容量を表示することができませんので、

時間率という単位で基準化して表示しています。






時間率基準には主に下記の4種類の統一基準があります。


■5時間率容量(5HR)

 主にJIS規格(日本)で採用されています。

■10時間率容量(10HR)

 主にオートバイ用バッテリーなどに採用されています。

■20時間率容量(20HR)

 主にDIN/EN規格(ヨーロッパ)で採用されています。

■リザーブキャパシティ(RC)

 主にSAE規格(アメリカ)で採用されています。



時間率とは満充電されたバッテリーを温度25度(±2℃)の条件下で、放電完了時の電圧が10.5Vに降下した時までの総放流電流をバッテリー容量とした表し方です。


例えば…


日本国内のカーバッテリーで主に採用されている「5時間率容量」で説明すると…

5時間率容量が80Ahのバッテリーでは(容量 80Ah ÷ 時間率 5時間 = 16A)16Aの電流を5時間使うことができる容量のバッテリーということになります。


欧州車やディープサイクルバッテリーで主に採用されている「20時間率容量」で説明すると…

20時間率容量が80Ahのバッテリーでは(容量 80Ah ÷ 時間率 20時間 = 4A)4Aの電流を20時間使うことができる容量のバッテリーということになります。


同じ80Ahのバッテリーですが「5HR」「20HR」と時間率容量が違うとバッテリー性能の考え方が大きく違うことがわかります。



今回取付しているディープサイクルバッテリーは


20時間率容量 105Ah 


ですので(容量 105Ah ÷ 時間率 20時間 = 5.25A)5.25Aの電流を20時間使うことができる容量のバッテリーということになります。


実際にはバッテリーを満充電されて、その電気をフルに使い切る事はまず不可能なので、計算値の目安としては正規容量105Ahの80%位をロスとして考えると(105Ah×80%=84Ah)


「84Ah」


ロスを当てはめると(容量 84Ah ÷ 時間率 20時間 = 4.2A)


4.2Aの電流を20時間使うことができる


容量のバッテリーということになります。


時間率容量について詳しくはまたの機会に説明しますが、サブバッテリーのアンペア数だけではなく時間率容量も理解した上に、バッテリー容量(Ah)と取付ける電気製品(A)を考えていくと、無理がない車内電気設備と使用可能時間を考えやすいと思います。バッテリーの容量を確認する場合はAhの数値だけでなく時間率も確認してください。


ベバストヒーターAT2000STC(FFヒーター)の消費電力


ベバストヒーターAT2000STC(FFヒーター)の消費電力。


AT2000STCカタログ消費電力は「14〜29W」となっているので平均値で考えると「21.5W」

電力(W)÷電圧(V)= 電流(A)の計算式に当てはめると ←理科で勉強しましましたね!

「 21.5W ÷ 12V = 1.79A ※小数第3位以下切り捨て


「1.79A」


上記の数値を当てはめて計算すると

バッテリー容量「84Ah」÷ FFヒーターアンペア「1.79A」=46.92h ※小数第3位以下切り捨て


約47時間使用できる計算になります。


※実際は温度センサーで、点火したり、止めたりと、使用時の車内温度で消費電力も変わり、バッテリー性能も変わりますので、カタログ数値から出した平均値の計算上の数値になりますので、あくまでもご参考程度までに。


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